プラハで骨折
鬱病患者さん

  昨年の秋、チェコ・スロバキア・ハンガリーに添乗に行った時の事。たまたま少人数のグループの添乗をしていたのだが、小雨まじりのプラハ市内観光中、○○でお客様が転ばれた。痛がってはいたが、たいした事はないと思って、しばらく観光を続行したのだが、そのお客様がものすごく痛がり始め、顔色もだんだんと青くなり、冷や汗が出始めた。日本語ガイドが着いていたので、他のお客様はガイドに任せる事にし、タクシーを呼んでもらい、ガイドに英語の出来る病院を紹介してもらい、一路、病院に行った。
 
  そこは市内のアパートの1フロアーを占めており、プラハに住む外国人が利用している病院であった。24時間営業だが、日曜と言う事もあり、医師はおらず、受付の女性に30分くらい待てば医師が来ると言う事で、待った。流石、外人相手の病院と言う事もあり、英語がぺらぺらの医師が来た。診察し、X線を撮った。結果、この病院では治せない。他の病院へと言う事で、その医師が運転する車で30分位走った郊外の市民病院へ行った。
  急患受付を済ませると、案内されたのはまさにER!患者があふれていて、通路までストレッチャーに寝かされている患者が多数。(死にかけている人もいた。)。再度X線と言う事で、それほど緊急でもないためか、ストレッチャーのまま別のフロアの放射線科に廻され、30分位待たされ、X線を撮る。診断は軽い肩の骨折と脱臼との事だった。それからERに戻され、アレルギーはあるかとか色々、英語を話せる医師を通じて話し合った。(市民病院の先生は英語が話せない…。)それからどうなったと思いますか?整体師(?)が来た後、そのお客様は注射を打たれました。それから、ものの1分もしない内、カクんとなってしまいました。その時は死んだのかと思いましたが、睡眠薬注射でした。(凄い効き方です。本当に30秒位でしたから…。)お客さんが眠っている間に整体師(?療法師と言った方が正しいのかも…。)が見事!脱臼を治しました。上手くはまったみたいです。確認のため、再度X線を撮ると、完璧にはまっていました。脱臼は治ったのです。これからが医師との話し合い。市民病院の医師は肩の骨折がある以上、入院しないとダメと言ったが、私は英語を話す医師に通訳してもらい、とにかく連れて行く(翌日はプラハを後にする日でしたから…。)…。30分くらい押し問答して、やっと医師のOKが出ました。お客様が眠っている間、ギプスをはめ、救急病棟へ移されました。麻酔が切れるまで3時間以上かかると言う事で、その間、ベットに寝て頂く為です。病棟に移されると、英語を話す医師は、お客様が起きたら電話して…と携帯の番号だけ渡され、帰ってしまいました。個室でしたが、通路を挟んだ隣部屋では、心臓マッサージと電気を流している最中!ERそのものです。幸いにも1命は取り留めたようですが…。 食事をしていなかったし、しばらくは寝たままだと看護婦(片言の英語が話せた)に言われたので食事をとる事に。レストランに行ったが、英語は丸っきり通じなく、かつ、何でこんな所に東洋人がいるんだ?という周囲の好奇心一杯の目に耐えながら、早々と食事をすますとまた病室へ。結局、お客様が目を覚ましたのは4時間くらいたってからでした。英語を話す医師を電話で呼び、しならくすると掛けつけてきてくれ、すぐ帰れるのかと思うと、麻酔の副作用がないかどうか調べると言う事で、また1時間くらい待たされ、OKが出て、一番始めに行った病院へ戻り支払い。
   実際には海外旅行障害保険を利用するのだが、契約がないとの事で、一時的にクレジットカードで立替払い。そして保険会社に請求するための書類を作成してもらい(万が一の為に保険には絶対に入りましょう!)、やっとホテルに戻れました。
 そのお客様は他のお客様のご協力もあり、無事、ツアーを続行され(ギブスをはめたままです)、無事帰国しました。帰国後すぐに日本の病院で見てもらったそうですが、その頃は骨折も大分治っていたそうです。プラハで普通は絶対に行かない所へ行けた貴重な体験です。それとTVのERそのままの光景が目の前に広がって行った…あのドラマは良く出来ていると実体験で感じました。